

【脳卒中のリハビリテーション】
下肢のファシリテーションから介助歩行
【 歩行に向けての下肢の促通 】

片麻痺下肢促通性
歩行動作時麻痺側下肢でしっかり支持できるよう背臥位をとり麻痺側下肢股関節伸筋群の促通を目的とし片側だけで臀部を挙上します また起立時同様に股関節を伸展傾向に保ち膝関節を曲げて股関節伸筋群をより強化します また麻痺側の振り出しをより円滑にするため 歩行時の動きを再現するよう誘導し膝足関節の柔軟性を高めます。
【 起立動作と立位保持 】
自立歩行ができるためには、立位動作及び安定した立位保持ができなくてはいけません 強化しなくては転倒の危険があります 初めは手すりを使用し危険を少なく恐怖感を軽減し また介助量を調整し身体への負担を少な くして行います 麻痺を起こした身体は、健常時の正常な動作を忘れています 十分重心を前方に移し立ち上がります 本人にかかる身体的負担が多いと麻痺側腕の痙攣など出現します 根気よく徐々に体力を高めましょう 目線が高くなり転倒への恐怖が強くなりますがセラピストの上手な誘導により円滑に立ち上がれるよう運動します 介助量は、決して多くなってはいけません。

脳血管起立前方
【 歩行に向けての立位と強化 】

立位保持ニーブレース使用
麻痺している下肢で支持して立ち上がることができるのであれば 介助して正常な動作に近い立ち上がり方を体で覚えることが良いのですが 自分の足で体を支えられず膝が折れてしまう場合やつま先が強く下を向き踵が床に付かない場合などセラピストが何らかの工夫をして立ち上がり歩行できるようしなくてはいけません 高額な補装具を購入してもらわなくてもちょっとしたアイデアでリハビリ運動時介助歩行ができるようになります セラピストの発想により変わってきます この方の場合長下肢装具を購入しましたが 重く実用性もなく歩行運動時にも本人への負担が多く実用的でなった為 軽量なニーブレースと長下肢装具の下腿部だけと杖を使用し介助なく立位保持できるようになりました。
【 立位での麻痺側下肢支持性向上 】
補足具など麻痺側下肢の支持性を高める為に使用します 何も使わずに歩けることが一番良いのですが麻痺の状態により困難な場合があります 自立歩行が難しいにもい関わらず高額な補装具を作られる場合がありますが このように簡単な膝装具と短下肢装具 場合によっては、足部に弾性包帯を上手にまくことで短下肢装具の代わりとして使用することもできます セラピストのアイデアで様々なリハビリ運動が行えます 辛うじて立位保持できる方に対して足部を前後に動かすだけでも十分歩行に向け麻痺側下肢の支持性を高めリハビリ運動において歩くことができるようになります 転倒には注意が必要です セラピストとの信頼関係が重要です。

下肢支持性向上ニーブレース使用
【 より安定した歩行の為の麻痺側下肢強化 】

片麻痺台乗せ運動
立位保持した状態で前方に5センチほどの台を置き麻痺側下肢で支持した状態で良い方の足を前方の台の上に乗せたり降ろしたりを繰り返します 振り出すことも大切ですが やはり前方へ進む際しっかりと振り出す動作が行えるよう麻痺側下肢で体をしかり支持していられることが大切です 前後左右に体が動揺し動かないようしっかり支えることを目標にします。
【 介 助 歩 行 】
歩行運動は、足を前に振り出すことより 足を振り出す際 反対の足で体を支え安定して振り出せるよう支持することが重要です 立位で重心が前方及び反対の足に移動することで足は振り子のように 前方に振り出されます 重い体を支えることはとても難しいことです セラピストの工夫によりリハビリ運動時介助歩行ができるようになります たとえ自宅で歩けなくても歩くリハビリ運動は、患者様の満足度を高め意欲も高まります。
